むっつり助平ギルド
むっつり助平をモットーに(?)世間的にはマイナーな自分的萌えジャンルに愛をそそぐヲタログ
※このブログは個人による趣味のための二次創作表現を含みますが、あらゆる原作・公式な団体とは関係ありません。全内容無断転載厳禁。※
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七海さん夢「冬色駆引」
また前回までと同じ設定で名前変換なしの七海さん夢小説です。
設定をご存知でない方はカテゴリ「金田一/探Q」から前二作の説明をご覧になって、ご承知の上↓をクリックで続きをどうぞ。 今回は付き合い出して暫くたってからです。 「冬色駆引」 鼻のてっぺんが冷たくて、目が覚めた。 私のベッドは窓際で、目を開けるとすぐ視界いっぱいのカーテンが飛びこんでくる。 冬の冷たい外気を頑張って遮断してくれる厚手のカーテンと窓の隙間から、凍てつきそうな冷気が伝い下りて私の鼻先を赤くしている。 明日は今年一番の寒さ、って昨夜の天気予報が言ってたっけ。 遮光カーテンでもいくらか通す朝の光りはまだ届いていないから、もう一眠りできそうだ。 こんなにベッドの端っこで寝ていることも珍しいので、冷え切った窓に背を向けてシングルベッドの上で寝返りをうつ。 と、凍った鼻先が温かく柔らかいものに触れた。 私がベッドの中にいる物体に思案を巡らすより早く、その物体が「ひゃっ」と声を上げた。 寝ぼけた私が適当に布団の中を弄ると、私のよく知っているその物体は呆れたようにこちらに寝返りを打ってきた。 「冷たい。」 憮然とした声を発するその顔を見上げると、慣れてきた目と覚醒した頭がしっかりと子犬のような七海さんの表情をとらえた。 「ごめん(笑)、七海さんいたの忘れてた(笑)。」 そう言って、お布団の中でぬくぬくしていた腕を伸ばして、びっくりさせちゃった彼のうなじにそっと触れてあげる。 「それヒドいなあ~。」 七海さんの声色は軽いけど、ちょっと不機嫌そう。 「そうかな?七海さんがいてくれるのが生活の一部みたいに自然ってことじゃない?」 実際はそんなことない。 私達はDDCからあてがわれた社員寮(といっても会社が借りてる普通のマンション)の、幾つもある中で幸運にも同じマンションの違う階に住んでいる。 それでも七海さんの探偵という仕事上、二人が付き合っていることは例えどんなに信頼のおける同僚にもヒミツにしなきゃいけない。 だから私達は付き合い始めてからも滅多に一緒にマンションまで帰ったりすることはないし(偶然帰りが一緒になってもイチャイチャしないよう気をつけるからメンドくさいんだι)、七海さんもかなり最近まで私の部屋に来る事はしようとしなかった。 私なんか七海さんの部屋に入るどころか、七海さんの部屋のフロアまで行ったことすらないんだけど、今度同僚としてかなり自然に見えるように一度だけ七海さんの部屋にご飯のお裾分けでも持っていってみようか、なんて二人で計画してる。 そして七海さんが私の部屋に来る時は、DDCの建物を出るときから既に完璧に女装をしているのだ。 いつもは衣裳部の先輩が多いけど、今日は紫乃ちゃんだった。 で、ごく自然な女の子たちのパジャマパーティーを装って、その日は一切七海さんの部屋には出入りせず、また女装し直して翌朝DDCに行く。 そんな面倒なこと、って私も最初は思ったんだけど、当の本人が大の面白がり屋さんだし、私だって、やっぱり恋人同士、一緒にいられる時間は嬉しい。 DDC社内は監視カメラこそないけれど、どうしてもいつも人目につかないかビクビクしているから。 一晩中ゲーム対戦なんて色気のないことしてる日もあるし、二人で外食も出来ないからのんびりウチでご飯とお酒に舌鼓打ったりもするし、でもなんにもなくったって七海さんと素顔で一緒にいられることがすごく幸せ。 私は納得し切ってない風の七海さんにはお構いなしにぎゅうっと腕を回して七海さんの胸を抱きしめた。 男の人の胸板って、女の子の身体にはないカンショクだと思う。 硬いんだけど弾力があって、軟らかいけど柔らかくない。 私がうっとりと七海さんの胸の真ん中に顔を押しつけていると(あれ?私って胸板フェチ??)、七海さんの冷えた左手が私の輪郭を一掴みにして、上を向かせた。 そしてやさしく、表面だけは冷えている唇と唇を私達は重ね合う。 夢の続きみたいにゆっくりと離れて、お互いの瞳をみつめあう。 「もぉっ、七海さんの手冷たいよ~」 「お返しだよっ」 七海さんは悪戯っ子みたいに舌を出して目を細める。 この顔、好き。 「ねえねえ、熱い紅茶とか飲みたくない?」 私はさらっと提案してみる。 ぴんと張ったみたいな冷えた空気のこの部屋に、お湯を沸かした白い湯気が漂ったらいいなと思ったのだ。 「いいね、俺アッサムがいいな。」 七海さんの顔もほころんだ。 そして私はわざと意地悪くニヤリとする。 「じゃ、七海さんお茶淹れてね☆ありがと~vvv」 寒いのは誰だって嫌い。 七海さんは仕事となれば別だけど、私と同じくらい寒いのが嫌い。 鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔の七海さん、エアコンのリモコンがお部屋の向こうに落っこちてるのは昨夜の七海さんの所業の所為だよね? 「じゃんけん!じゃんけんしよう!」 「やだー寒いもん~」 私は笑いながらお布団の中にもぐりこむ。 お茶なんて本当はどうでもいい思いつきだったのだけど、話し出すと本当に飲みたくなってきた。 七海さんがもうちょっと抵抗したら、仕方がないから言い出しっぺの私が行こうかなって勿論思ってた。のだけど。 「わかった、じゃあ俺が淹れてくるよ。」 と、妙に物分りのいい声がしたかと思うと、次の瞬間私は全身を暗い冷気に晒されていた。 「でも、寒いからキッチンまでこの毛布巻いてくね♪」 立ちあがった身体に今の今まで二人くるまっていた毛布を巻きつけた七海さんが、私をにっこり見下ろしている。 もう私の負け、決定。 「さむいっ!ごめん!七海さん許してっ!」 調子のいいコイビトがベッドから跳ね起きて飛びつくと、待っていたが如くその毛布の前を開いて、私ごとまたすっぽり包んでくれた七海さん。 「このまま一緒にお茶淹れてくれたら許してあげようかな?」 ウインクが眩しい。 ケトルから温かい湯気が上がり、広くない部屋の中に広がっていく。 冬の夜明けはもう少し先。 二人毛布にくるまったまま、ベッドに座って紅茶を飲んだら、そのままもう一眠りしようか。 珍しく二人の休日が重なったから、どこにも行かずに一緒にいよう。 ************************************************************ フユイロカケヒキでした。 毎日寒くてめげそうでうっかりこんな妄想をして冬を凌いでます(ぇ)。 皆様もお身体にお気をつけ遊ばせ。 大人のカップルが二人でかたっぽの部屋に居たらそーゆーことになってるんだろうと皆様助平なご想像をされるかと存じますが、妙にピュアっぽくぼかしてみました(笑)え、ぼかせてないって? 七海さんじゃなくてもよくねえ?ってツッコミは最大のタブーということでひとつ。 PR
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